犬も人間と同じように、年齢とともに体や心にさまざまな変化が現れます。
今回は、シニア期(小型犬は7歳〜、大型犬は5〜6歳〜)に見られやすい症状と、それに対応するケア方法を詳しくご紹介します。

🐾 高齢犬によく見られる症状とそのケア方法
1. 食欲が落ちる・体重が減ってきた
- 考えられる原因: 噛む力や嗅覚の低下、内臓機能の衰え、歯の痛み
- ケア方法: やわらかいフードに変更、温めて香りを立たせる、水分量を増やす
2. 動きが鈍くなった・散歩に行きたがらない
- 考えられる原因: 関節炎、筋力低下、心臓や肺の負担
- ケア方法: 滑らない床にする、足腰を支えるハーネス使用、室内ストレッチ
3. 夜鳴きや徘徊などの認知症症状
- 考えられる原因: 老年性認知機能障害(犬の認知症)
- ケア方法: 昼夜の区別をつける照明管理、決まった生活リズム、優しく声かけ
4. 尿漏れ・排泄トラブル
- 考えられる原因: 筋力の衰え、腎機能の低下、ホルモンの乱れ
- ケア方法: トイレの回数を増やす、シニア用おむつや防水シートの活用
5. 視力・聴力の低下
- 考えられる原因: 白内障、網膜の老化、耳の神経の劣化
- ケア方法: 家具の配置を変えない、音や声かけで安心させる
6. 皮膚・被毛の変化
- 考えられる原因: ホルモンバランスの乱れ、代謝低下、免疫力の低下
- ケア方法: ブラッシング頻度を増やす、保湿ケア、食事にオメガ3脂肪酸などを追加
🩺 シニア期にやっておきたいケア・習慣
- 年2回の健康診断(血液検査・尿検査・心臓チェック)
- シニア用フードへの切り替え(消化しやすく、低脂肪・高タンパク)
- 日光浴や軽い散歩で免疫力維持
- 急な環境の変化を避ける(引越し・模様替えなど)
- 精神的な安心を与える声かけとスキンシップ

🐶 飼い主にできること
高齢になると「いつもと違う」が増えます。
しかしそれは「老い」ではなく、「今この子が必要としているサイン」。
急な変化には焦らず、優しく寄り添う気持ちがいちばん大切です。
愛犬と過ごす時間が、より穏やかであたたかいものになりますように。